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読書日記
小川 糸: 喋々喃々
『東京・谷中でアンティークきもの店を営む栞の、恋と家族の物語』と帯に書いてある。 食事のシーンがたくさん出てくるが、どれもおいしそう。 ヘミングウェイの『エデンの園』もたくさん食事が出てきたが、食欲イコール性欲という感じがしたのに対し、こちらは真逆。 不倫の話なので普通だと湿った感じになりがちだが、あくまで筆致は繊細で柔らかだ。装丁も素敵だ。 (★★★★)三浦 しをん: まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)
便利屋を営む多田と、そこに転がり込んできた高校時代の同級生行天の物語。 便利屋の仕事のはずが、なぜか事件に巻き込まれていく。連作短編集になっていて、読み進めていくと、だんだん彼らの過去や、抱えている悩みが明らかになっていく。 キャラクターが強烈で、面白いけれど、深い内容だと思った。 (★★★★)山田 吉彦: 日本の国境 (新潮新書)
領土紛争となっている尖閣諸島、北方領土、竹島だけでなく、沖ノ鳥島、東シナ海のガス油田問題、大東諸島など、内容は多岐に渡っている。日本は海洋国家でありながら、海洋政策と言えるものがないということが本書を読んでわかった。江戸幕府も認めていなかった林子平の著書が、尖閣諸島が中国領であるという主張に使われていたり、韓国が竹島と呼ばれていた別の島を、現在の竹島問題にすりかえていたり、と知らないことばかりだ。日本政府もこの問題を早く何とかすべきだし、もちろん国民一人ひとりがもっと関心を持つべきだ。 (★★★★)津村 記久子: ポトスライムの舟
主人公は工場で働く29歳の契約社員で、世界一周の旅を夢見ている。そんな彼女と、友達や同僚の話。ささやかな話すぎて、小説なのに夢が無いというか。今だから芥川賞を受賞したのだろう。でも色々と考えさせられたから、うまいのだろうけど。 (★★★)CDつきマガジン 隔週刊 落語 昭和の名人 決定版 全26巻(2) 五代目 古今亭志ん生(壱)
CDの最初は志ん生十八番中の十八番と言われる『火焔太鼓』。収録が昭和31年と古いので、枕の洒落がさっぱりわからなかった。付属の冊子を読んでわかったが。噺はとても面白い。『替り目』志ん生自身が酒飲みだった事もあってか、女房とのやり取りが絶妙におかしかった。『唐茄子屋政談』少し言いよどむところがあり、歳を感じさせる。 (★★★★)CDつきマガジン 隔週刊 落語 昭和の名人 決定版 全26巻(1) 古今亭志ん朝(壱)
CD収録は、『夢金』と『品川心中』。夢金は、落ちがなんだかなあ。そういう噺なので仕方ないけど。人物が船頭の熊、船頭の親方、浪人、大店の主人とたくさん登場するが、さすが志ん朝さん、うまい! 『品川心中』年増の遊女、お染が心中の相手を探す、「……いたよ」という台詞だけで笑える。¥490はお買い得! (★★★★)田村 研一: ホームレス大学生
『ホームレス中学生』のお兄ちゃんから見た、もう一つの物語。お兄ちゃん、本当に大変だったね、というのが一番の感想。父親のサラ金の業者からは拉致されるは、差し押さえられなかった荷物の延滞料は払わなければいけないは。兄弟3人で暮らせることになり、引越しをした時に、その保管していた荷物は、仏壇とアルバム。亡くなったお母さんも一緒に引越し、という話は泣けた。 (★★★★)麒麟・田村裕: ホームレス中学生
ベストセラーなので今更という感じだが、小学5年生で母をなくし、中学生で家族解散の危機にあい、公園で一人で生活するという過酷な話。でも友達の家族や近所の人々に助けられ、また兄弟3人で暮らせることになる。担任の先生もすごい! 兄弟が父親のことを全然悪く思っていないことに驚いた。ここまで真っ直ぐに育ったのは、やはりお母さんが立派な人だったのだろう。最後に著者が書いている、僕を見てお母さんのことを褒めてくれる人間になりたい、という言葉には胸を打たれた。 (★★★★)ガブリエル ガルシア=マルケス: 百年の孤独 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1967))
マコンドという架空の村の、開拓者一族ブエンディア家の物語。 大作なので一度読んでみたいと思いつつも、それゆえになかなか手に取れなかった。が、面白かった。文学作品というより物語だ。 唯一引っかかったのは、解説の梨木果歩氏も書いているが、『愛によって生を授かった者』がアウレリャノとアマランタ・ウルスラの子供だけ、という箇所。豚の尻尾が生えた子供が究極の愛の形というのだろうか? ただ読んでいて、日盛りの埃っぽくうらさびれたマコンドの通りに自分が立っているかのような気分になった。それで十分のような気もする。 (★★★★)上坂 冬子: 「北方領土」上陸記 (文春文庫)
上陸記というタイトルだが、著者が上陸した記述は第一章のみ。あとは歴史や政治の流れ、元島民などへのインタビューなどだ。エリツィン大統領と小渕首相の時にかなり北方領土問題が進んだにもかかわらず、水泡に帰したのは残念だ。プーチン元大統領が、森元首相を気に入っていたとは初耳だった。森元首相には北方領土問題に脳みそを絞っていただきたいものだ。文庫本だし、わかりやすいのでお勧め。私は北方領土問題についてほとんど知らなかったが、領土問題は国民一人ひとりが知識を持ち、考えることが必要だと改めて考えさせられた。 (★★★★★)











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